書籍名: 64(ロクヨン) 下 (文春文庫) [Kindle版]
著者:横山秀夫
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[あらすじ] 横山秀夫のD県警シリーズの中の一作。刑事から警務部広報に移動になった三上の前にちらつく、未解決誘拐殺人事件ロクヨンに絡む幸田メモ、そしてそれを巡る警務部と刑事部の対立。
さらに、叩き上げの刑事だが現在は警務部秘書課広報官である三上のゆれる心情が、64事件というD警察の抱える闇や痛みと共に書かれる下巻。
主人公の三上義信は、匿名問題での記者クラブとの対立、そのなかで警察庁長官の視察のための準備や記者との調整、さらに失踪した娘とそれを案じるあまりに自分も身体を壊しそうな妻と、心配事がいくつもある。
同期の警務畑の出世頭である二渡が追っている幸田メモを追ううちに、捜査で3回めの脅迫電話の録音ミスがあったこと、それを現場が握りつぶし、当時の刑事部長からずっと引継がれていたことなどを知ることになる。
それはD警察、特に刑事部にとっての大きな爆弾である。長官視察は、ずっと県警出身者の最高の椅子として守られてきた刑事部長の椅子を、優秀な人材を送りロクヨンを解決するという名目で東京のポストにするということを、マスコミの前で発表し既成事実化することが目的だと分かる。
警務部と刑事部は激しく対立する中で、三上は一度やめたマスコミに窓を開くということを決意する。刑事が刑事を全うするように、交番勤務のものがその職務をまっとうするように、自分は広報官としての職務を全うする。
無言電話をかけてきたのはきっと娘だと信じたいし、生きているならば全国の警察官がそれぞれの職務で「娘の失踪に眼を光らせてくれている」ということが、どれほど安心なのかが分かる。
長官訪問の前日、ロクヨンとまったく同じような誘拐事件が持ち上がる。狂言の可能性があるからと、警務部の三上には全く情報をよこさない刑事部に腹を立てた三上は、同期の一課長の捜査に張り付く。相手はタイムラグを要求しながらも、操作情報を上げてくれた。
それは驚愕の結末を向かえる。すべての謎がピタリとハマり、無駄に見えたパートが無駄でないことが分かる。長編小説でありながら、無駄が一つもない。素晴しいとしか言い様がない傑作。
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